【第2回】「社内検索AIを作ったのに精度が悪い…」を解決する「Agentic RAG(エージェント型検索)」とは?

社内ドキュメントを検索して自動で答えてくれる「社内QAボット」を作ったものの、「思ったより答えが不正確」「古いマニュアルを引用してくる」と社内で不評…そんなトラブルはよくあります。

今回は、その原因である「従来のRAG(ラグ)」の限界と、最新の解決策である「Agentic RAG(エージェント型検索)」について学びましょう!

1. 基礎知識:そもそも「RAG(ラグ)」ってなに?

RAG(Retrieval-Augmented Generation / 検索拡張生成): AIに社内PDFやデータベースなどの「外部知識」を与え、それを読み込ませて回答させる技術のこと。

AIは学習していない社内ルールのことは知りません。だからといって、AIに嘘をつかせる(これをハルシネーション / 幻覚と呼びます)わけにはいきません。

そこで、「質問されたら、まず社内資料を検索(Retrieval)し、その内容を元に文章を生成(Generation)させる」のがRAGの仕組みです。

2. なぜ「従来のRAG」は失敗しやすいのか?

従来のRAG(Naive RAG)は、「一発勝負のキーワード検索」でした。

例えば、「A社とB社の契約条件の違いを教えて」と質問した場合、従来のRAGはデータベースから似たような単語があるページを1回だけパッと取ってきて、その1ページだけを見て答えようとします。

その結果、「A社の条件しか載っていなかった」「全然関係ないページを参照してしまった」というミスが多発するのです。

3. 進化した「Agentic RAG(エージェント型検索)」の凄さ

この失敗を防ぐために登場したのがAgentic RAG(エージェントラグ)です。単に検索するだけでなく、AIに「自分で考えて試行錯誤する力(エージェント機能)」を持たせています。

【Agentic RAGの思考プロセス】

  1. [クエリ(質問)の分解] 「『A社とB社の条件比較』だな。まずはA社の契約書を検索しよう」
  2. [検索と自己評価] 「A社の条件は分かった。次はB社だ……あれ?検索結果にB社の条件が足りないな」
  3. [再検索(クエリの書き換え)] 「検索キーワードを変えて『B社 覚書 契約』で探し直そう!」
  4. [最終回答の作成] 「両方のデータが揃った!分かりやすく表にして出力しよう」

このように、「情報が足りなければキーワードを変えて探し直し、合っているか自分で確かめてから答える」という人間のベテラン社員のような動きをしてくれるのが最大のメリットです。

4. 新人スタッフが押さえておくべきポイント

社内AIの回答精度を上げるには、単にAIのモデルを最新にするだけでなく「検索の仕組み(RAGの設計)」を工夫することが重要。

複雑な調べものが必要な業務には、一発検索のRAGではなく、試行錯誤してくれる「エージェント型RAG」の導入を検討するのがトレンド!